「・・・・・・何だ貴様は・・・」










スカーはこちらを睨んだまま口を開く。








「・・・!?お前どうしてここに!!」







右肩を押さえ、上体を起こしてエドが叫ぶ。








「・・・・・・朝起きたらあんたらがいないから捜しに来たんでしょうが」









やけに低い声で答える。







「こ・・・・・・ここは危険だ!逃げろ!!」







「殺されそうになってる人間が何言ってんの!」










「・・・・・・邪魔をするというのなら容赦はしない」









スカーがその場で構える。










「ばっ・・・早く逃げろ!!」










「嫌だ!!」













すっぱりと答えてやった。












ニーナ達だけじゃなく、エドまで殺そうとしてる奴なんか許せないんだから!






























Act.11 我流武術






























スカーが向かってくる。











「・・・・・・っ」











顔の前に出された右手をかわす。








その右腕を掴み、素早く後ろに投げた。








「・・・・・・ぬうっ」








受け身を取り、すぐに起き上がるスカー。








「・・・・・・やっぱりあんなんじゃダメか・・・」











足に力を込めて思い切り地面を蹴る。









そこで氷の塊を5個ほど錬成してスカーに向けて放った。








そのうちの一つがスカーの肩に当たる。









「・・・くっ」







「・・・よし!」









よろっとスカーが体勢を崩す。






















この瞬間を待ってた。







私はスカーに向かって走り出す。
























「・・・・・・伊達に・・・我流極めてるわけじゃないんだから―――!!!











スカーの鳩尾に跳び蹴りを喰らわせた。









「・・・・・・ぐうっ・・・!」








































「・・・我流奥義!気術脚落!!」









































説明しよう。










我流奥義『気術脚落』とは。



相手の気を利用して回り込み脚を落とす、踵落としに似たような技。

が我流を開発する際に、合気道を取り入れたものの一つである。



※良い子は絶対にマネしないでね










































上手く技が当たった。




スカーが体勢を立て直す前に、後ろへ下がる。





が、
















!!」






「・・・えっ」














ビキ ビキ











・・・うおい!そりゃ反則だよスカー!普通そこで地面破壊しないよねー!?(涙)







「・・・わっ!」







スカーの不意打ちのせいで足元の地面がめくれ、転んでしまった。














「・・・いたた・・・・・・」







「「 !! 」」












あーアル、今回初めて喋ったねー。なんて事考えてる間に、スカーの手がすぐ近くに・・・・・・。











































ドン



















「そこまでだ」










一発の銃声と共に、大佐の声が。








「危ないところだったな、





「大佐!」













遅いんだよコンチクショウ!カッコつけてんじゃないよ!全然カッコよくないよ!!








さり気に爽やか笑み投げかけないで―――!!













「大佐!こいつは・・・」








右肩を押さえて、エドが大佐に声をかける。








「その男は一連の国家錬金術師殺しの容疑者・・・・・・だったが、この状況から見て確実になったな。タッカー邸の殺害事件も貴様の犯行だな?」






「!」





エドは大佐の言葉を聞いて、ぎっとスカーを睨む。








「・・・錬金術師とは、元来あるべき姿の物を異形の物へと変成する者・・・。それすなわち、万物の創造主たる神への冒涜。我は神の代行者として裁きをくだす者なり!」







「それがわからない。世の中に錬金術師は数多いるが、国家資格を持つ者ばかり狙うというのはどういう事だ?」








「・・・・・・どうあっても邪魔をすると言うのならば、貴様も排除するのみだ」







「・・・おもしろい!」







ぽいっと大佐はリザさんに銃を渡し、発火布の手袋をはめる。







「マスタング大佐!」






「おまえ達は手を出すな」








「マスタング・・・国家錬金術師の?」





「いかにも!『焔の錬金術師』ロイ・マスタングだ!」










そこで名乗ってどうする!?










「神の道に背きし者が、裁きを受けに自ら出向いて来るとは・・・今日はなんと佳き日よ!!」








「私を焔の錬金術師と知ってなお、戦いを挑むか!!愚か者め!!」










愚か者はあんただ―――!!










「大・・・・・・」 はっ





バシィ






ボッ
 ガクーン




「おうっ!?」








リザさんの足払いが見事大佐にヒット。





そのまま大佐は仰向けに倒れる。









ビッ



ドカ ガガガガガ ガンガン








素早くリザさんが銃をスカーに向け、連射。





しかし、一発も当たることなくスカーは避けた。












「いきなり何をするんだ君は!!」





「雨の日は無能なんですから下がっててください大佐!」





「あ、そうか。こう湿ってちゃ火花出せないよな」









ガン!!









大佐の上に『無能』の二文字が落ちた。




そして手を地面について落ち込んでしまっている。









「わざわざ出向いて来た上に、焔が出せぬとは好都合この上ない。国家錬金術師!そして我が使命を邪魔する者!この場の全員滅ぼす!!」







































「やってみるがよい」



















ガ ボン







軍服を着た大柄な男が、スカーの後ろを取り、殴りかかる。






スカーは素早く避け、その男の拳は後ろの壁に当たった。











「む・・・新手か・・・!!」












「ふぅ――む。我輩の一撃をかわすとは、やりおるやりおる」









ベキ ベキ









ま、まさか・・・・・・。









ゴゴゴ ゴゴ  ゴ ゴ ゴゴ ゴゴゴゴ








「国家に仇なす不届き者よ、この場の全員滅ぼす・・・と言ったな。笑止!!ならばまず!!この我輩を倒してみせよ!!」








ゴ ガガガ ガガガガガ






「この『豪腕の錬金術師』・・・アレックス・ルイ・アームストロングをな!!」







































で・・・出た―――!?















----あとがき-----


管理人 「は・・・発動しちゃいました、さんの我流武術・・・・・・」
エド 「・・・・・・ま、まさかあんなもの隠し持ってたなんてな・・・・・・」
管理人 「しかも奥義ですよ、オウギ」
エド 「つーかあいつ、前に剣術も出来てたよな・・・?」
管理人 「は、はい。従兄から教えてもらったとかで・・・」
エド 「なんつー奴だ・・・敵に回さないようにしねーと・・・・・・」
管理人 「あ、奥義と名前は私が勝手に考え出したものなんですがね」
エド 「良い子は絶対にマネするなよ」
管理人 「これからもまた奥義とか飛び出すかもしれないんで。ま、気をつけてねエド」
エド 「・・・・・・オレ!?」
管理人 「次は何気に15文字ことアームストロングさんが大活躍(?)です。じゃ、皆さんまた会いましょー」
エド 「え、ちょ、ちょっと待て、オレ!?あ!おい、まだ話は終わってな・・・」

                      終了





back next
--------------------
2005.11.26.Sat