轟音と共に、アレックス・ルイ・アームストロング少佐が現れた。








・・・壁・・・・・・崩れちゃったよ・・・・・・。






























Act.12 イシュヴァールの民






























「・・・今日はまったく次から次へと・・・・・・・・・。こちらから出向く手間が省けるというものだ、これも神の加護か!」








「ふっふ・・・やはり引かぬか。ならばその勇気に敬意を表して見せてやろう!」






先程崩した壁の瓦礫を頭上高く投げ、右腕を回す。





「わがアームストロング家に代々伝わりし芸術的錬金法を!!」





 パッ ドン!





落ちてきた瓦礫を右手のナックルで思い切り殴る。



次の瞬間には、瓦礫が太い槍の様になってスカーに向かう。




スカーはそれを頭を避けてかわした。







「もう一発!!」





今度は地面に拳を打ちつける。




ゴッ ガガガガガ




「!!」



地面が突起に変わり、スカーに襲いかかる。




ドドドドン






「この・・・」




バガン



スカーは一つの突起を破壊した。







「少佐!あんまり市街を破壊せんでください!!」





ハボさんが叫ぶ。




「何を言う!!」




くわっと目を見開く少佐。






「破壊の裏に創造あり!創造の裏に破壊あり!破壊と創造は表裏一体!!壊して創る!!これすなわち大宇宙の法則なり!!






ドォォォン






上着を脱いだ少佐の周りにはスポットライトが・・・・・・。






「なぜ脱ぐ」



「て言うかなんてムチャな錬金術・・・・・・」




ハボさん、リザさん、ナイスツッコミ!








「なぁに・・・。同じ錬金術師ならムチャとは思わんさ。そうだろう?傷の男スカーよ」







「錬金術師・・・奴も錬金術師だと言うのか!?」




「やっぱりそうか」






おお?大佐が立ち直った。しかも解らなかったの!?エドと少佐に解って、大佐が!?







「錬金術の錬成課程は、大きく分けて『理解』『分解』『再構築』の三つ。なるほど、つまり奴は二番の『分解』の課程で錬成を止めているという事か」




「自分も錬金術師って・・・じゃあ奴の言う神の道に自ら背いてるじゃないですか!」




「ああ・・・しかも狙うのはきまって国家資格を持つ者というのはいったい・・・」







大佐とハボさんが話している最中も、少佐とスカーの交戦は続いている。





「追いつめたり!!」






少佐が大きく振りかぶったと思ったら、いきなりスカーとの間合いを開けた。






ドン




リザさんが銃を構え、スカーに向けて撃つ。





ドン ドン ドン ドン!






「やったか!?」




「速いですね。一発かすっただけです」








銃弾が当たり、サングラスが外れた目で、スカーがこちらを睨む。




その目は赤かった。










「褐色の肌に赤目の・・・!!」






「・・・・・・イシュヴァールの民か・・・・・・!!」












周りが一瞬静まり返る。







「・・・やはりこの人数を相手では分が悪い」






「おっと!この包囲から逃れられるとおもっているのかね」







銃を構えた沢山の軍人がスカーを取り囲んでいる。







スカーは右手を地面につけ、地面を崩した。






ゴバァ



 ガラガラガラ バキバキ







「うわあああ!!」





ドドドド ドオッ





「あ・・・野郎、地下水道に!!」







「追うなよ」




ハボさんに大佐が言う。




「追いませんよ、あんな危ない奴」









今度は少佐の方を向く。


「すまんな。包囲するだけの時間をかせいでもらったというのに」




「いえいえ。時間かせぎどころか、こっちが殺られぬようにするのが精一杯で・・・」






「お?終わったか?」





ひょっと眼鏡をかけた軍人が顔を出す。





「ヒューズ中佐・・・今までどこに」





「物陰にかくれてた!」





びし!と親指を立てる。






「おまえなぁ、援護とかしろよ!」



「うるせぇ!!俺みたいな一般人を、おまえらデタラメ人間の万国ビックリショーに巻き込むんじゃねぇ!!」





「デタ・・・」







えっ、それって錬金術師の事!?




じゃあ私もデタラメ人間にエントリーですか!?






ひどいよ親バカ!!









「アルフォンス!!」








エドが、腹部を破壊されて座っているアルに声をかける。






「アル!大丈夫か、おい!!」






「・・・この・・・バカ兄!!」




ゴン







「・・ちょっ・・・アル!何エド殴ってんの!!」






はちょっと黙ってて!!」





「・・・・・・はい









アルの気迫におされてしまった・・・・・・。








「なんでボクが逃げろって言った時に逃げなかったんだよ!!」




「だからアルを置いて逃げる訳に・・・」







ああ!アルのトンガリがエドに刺さってる!?







「それがバカだって言うんだ――っ!!」






ばちこーん





そして繰り広げられる兄弟の言い争い。









「なんでだよ!オレだけ逃げたら、おまえ殺されたかもしれないじゃんか!!」






「殺されなかったかもしれないだろ!!生きのびる可能性があるのに、あえて死ぬ方を選ぶなんてバカのする事だ!!」





「あ・・・兄貴にむかってあんまりバカバカ言うな―――っ!!」






「何度でも言ってやるさ!!」






ガッとアルはエドの胸倉を掴む。







「生きて生きて生きのびて、もっと錬金術を研究すれば、ボク達が元の体に戻る方法も・・・ニーナみたいな不幸な娘を救う方法も見つかるかもしれないのに!!それなのに、その可能性を投げ捨てて死ぬ方を選ぶなんて、そんなマネは絶対に許さない!!」








ベキャ


「あ」






アルの腕が取れた。






「ああっ、右手もげちゃったじゃないか、兄さんのバカたれ!!」







「・・・・・・はは・・・ボロボロだな、オレ達。カッコ悪いったらありゃしねぇ」





「でも、生きてる」




「うん。生きてる」









































・・・・・・・・・・・・は・・・話に入り込めなかった・・・・・・。






















































「おい、!!」










「・・・な、なんでしょう?」











あれ・・・エド、なんか怒ってます?







「お前・・・なんであそこに来た!」







「兄さん!よしなよっ」










え・・・あれ?・・・っていうか、今スカーの話の途中じゃ・・・・・・。








「なんで来たんだ!!」







なんで?・・・・・・なんでって、そりゃもう。










「・・・・・・あんたらが、私が寝ているのをいい事に、宿に置いて行ったからでしょうが!!!










「「 (ギクッ) 」」









「いくら、いくら、昨日のことがショックだったからって、フラフラ〜っと外に、しかも9時前に、雨が降ってんのに出て行っちゃって。一言私に声ぐらいかけろバカ兄弟共!!







「・・・や、あの、だって、それはだな・・・」







「そーかそーか。エドはスカーの代わりに私の奥義を喰らいたかったと。たまたまあそこにスカーがいたからイライラ発散の矛先をあれに向けただけで、スカーがいなかったらあんたらボコ殴りだよ?それでよかったのかな―――?」








「げっ・・・そんなこと、一言も言ってな・・・」









言ってんだろが!!私が時計塔の下に行ったら憲兵死んでるしよー、大きな爆発音が聞こえて行ってみたら、あんたらが年齢不詳のグラサン野郎にズタボロにされててよー。どんだけ心配かけさしゃ気が済むんだコンチキショー!!









「・・・お、お前・・・キャラ変わってねー?」





兄さぁぁん。早くに謝ってよー、が壊れちゃうよぉー」(泣)






「聞いとんのか、コラァ!!」





「「 ひぃぃぃぃ!すんませーん!! 」」
















「・・・・・・あ・・・の、その・・・悪かったな、置いて行ったりして・・・えーと・・・さ、さっきは助けてくれてありがとな・・・」






「・・・・・・・・・・・・・」




「「・・・・・・・・・・・・」」(冷汗)








「・・・うん。エドとアルが無事でなによりだよー、今度からは私に一言声かけてよねー?・・・ん?どしたの?」







「「 ・・・な、なんでもないです 」」











どうしたんだろう、エドとアルが妙に怯えているような・・・?





ん?そういえば、周りの方々も顔が青い・・・・・・。








「・・・は、話は済んだかね?鋼の」






「お、おう。続き、よろしく」

















































イシュヴァールの民は、イシュヴァラを絶対唯一の創造神とする東部の一部族だった。

宗教的価値観の違いから、国側とはしばしば衝突をくりかえしていたが、

13年前、軍将校があやまってイシュヴァールの子供を射殺してしまった事件を機に、大規模な内乱へと爆発した。

暴動は暴動をよび、いつしか内乱の火は東部全域へと広がった。

7年にもおよぶ攻防の末、軍上層から下された作戦は――国家錬金術師も投入してのイシュヴァール殲滅戦。

戦場での実用性をためす意味合いもあったのだろう。多くの術師が人間兵器として駆り出されたよ。





















「私もその一人だ。だからイシュヴァールの生き残りであるあの男の復讐には正当性がある」








「くだらねぇ。関係ない人間も巻き込む復讐に正当性もくそもあるかよ。醜い復讐心を『神の代行人』ってオブラートに包んで崇高ぶってるだけだ」







「だがな。錬金術を忌み嫌う者が、その錬金術をもって復讐しようってんだ。なりふりかまわん人間てのは一番やっかいで、怖ぇぞ」







「なりふりかまってられないのはこっちも同じだ。我々もまた死ぬ訳にはいかないからな。次に会った時は問答無用で、潰す





























「さて!辛気臭ぇ話はこれで終わりだ。エルリック兄弟と嬢ちゃんはこれからどうする?」






「アルの鎧を直さないとね」




「ああ。でも、オレこの腕じゃ術を使えないしなぁ・・・」







「我輩が直してやろうか?」





盛っ。




「遠慮します」






アル即答。







「アルの鎧と魂の定着方法を知ってんのはオレだけだから・・・まずはオレの腕を元に戻さないと」




「だね」







「そうよねぇ・・・錬金術の使えないエドワード君なんて・・・」




「ただの口の悪いガキっすね」 by ハボ



「くそ生意気な豆だ」 by ヒューズ



「無能だな、無能!」 by 大佐



そして、うんうんと頷くリザさん。



「ごめん兄さん、フォローできないよ」



「私も。ごめんエド」








「いじめだ――!!!」うぎゃーん
















はあ、と溜息をつくエド。








「しょーがない・・・うちの整備師の所に行ってくるか」















----あとがき-----

管理人 「・・・・・・お疲れ様です、自分」
エド 「・・・のキャラが変わった・・・・・・」
管理人 「あー・・・うん。エドが怒らせるからですよ。ちなみにさん無意識だから」
エド 「だってだな!を置いて行ったのには訳が・・・ごにょごにょ
アル 「・・・そんな事いうと、またが恐くなるよ?」
エド うおう!?アル!いきなり出てくんなよー」
管理人 「久々にゲストとして迎えてみました」
アル 「まったく、兄さんはボクにも何も言ってくれなくて。その置いていった理由」
管理人 「ほほう。一体何なんですかエドさん」
エド 「・・・・・・別にいいだろ」
管理人 「よくないよくないよくない」
エド 「・・・・・・・・・・・・」
管理人 「・・・よし、そんなに断固拒否するなら、ショート番外編で出したれ!」
アル 「あ、それナイスだよ」
エド 「なっ・・・・・・!や、やめろ!!」
管理人 「えー?・・・別にエドが嫌がるような内容ではないよ?逆にさんが・・・」
エド 「お前、でもそれじゃオレ視点決定じゃねぇか!!」
管理人 「そりゃあ、ねー」
アル 「ねー」(内容知らない)
エド 「おまえら・・・いじめだ――――!!!
管理人 「えー。いつか出ると思うので、気長にお待ちください。ではー」

                      終了





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2005.12.04.Sun