「・・・・・・この状況でよく寝てられんな、ガキ」









あはは・・・私達、現在列車ジャックにあってます。






























Act.7 青の団






























「おい!起きろコラ!」







銃をほっぺたに突きつけられても「すぴー」と可愛い寝息を立てているエド。









そして、遂に怒ったおっさんが言ってはならないことを。





「・・・・・・この・・・ちっとは人質らしくしねぇか、この・・・チビ!!」







くわ!!   ドゴン





ズドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ






エドが突然起き出した。





なんだか周りにもの凄いオーラが見えるのは・・・・・・気のせい?










「お?なんだ文句あんのか、おう!」




再びエドに銃を突きつけるおっさん。





パン! バシィ




それをエドが両手で挟むと、錬成反応の光と音が出て、銃が変な形になった。







「うお!?なんじゃこりゃあ!!」






ジー●ン刑事!?とか叫びそうになった・・・・・・ふー危ない危ない。




それは・・・どー見ても・・・ラッパ、だよね・・・。





ゴ  「ぶ!!」  どちゃっ





エドは驚いていたおっさんの顔を、横から足で蹴る。




おっさんの首からは、「ぐき」と鈍い音が・・・・・・!





隣ではアルが、手で目を押さえて「ああ・・・」と溜息をついていた。










「やりやがったな、小僧」







もう一人出てきた。さっきのおっさんよりは少し若い感じだ。






「逆らう者がいれば容赦するなと言われている。こんなおチビさんを打つのは気がひけるが・・・・・・・・・」





「まあまあ、二人とも落ちついて」






アルが仲裁に入る。



まあ、そんなんでにいちゃんが止まるはずもなく、




「なんだ、貴様も抵抗する気 めしょっ か」




あえなくエドの跳び膝蹴りの餌食に。





「だぁれぇがぁミジンコどチビか―――ッ!!!」





ボコ ベコ ドカ


「ギャ―― そこまで言ってねェ――!!」


ぐしょ めしょ





「兄さん兄さん、それ以上やったら死んじゃうって」








止める気ゼロ。







後ろではおじいさんが「鬼じゃ・・・」と呟いている。






そうだね、この兄弟は鬼だね・・・(笑)。(お前もな








すると、エドがピタリと止まった。




「て言うかこいつら誰?」





チビって単語に無意識に反応しただけ・・・・・・!?






「俺達の他に、機関室に二人、一等車には将軍を人質に4人、一般客車の人質は数か所に集めて4人で見張ってる」






エドにボコボコにされ、縄で縛られたにいちゃんが話す。




「あとは?」





「本当にこれだけだ!!本当だって!!」





ぐっと拳を突き出して確認するエド。



ほら、にいちゃん怯えてるよ!







「まだ10人も!?」



「どうするんだ、仲間がやられたとわかったら、奴ら報復に来るんじゃ・・・」






「誰かさんが大人しくしてれば穏便にすんだかもしれないのにねぇ」






「過去を悔やんでばかりでは前に進めないぞ、弟よ!!」






「しょうがない、オレは上から、アルは下からでどうだ?」



「はいはい」



はどうする?」






私の方を振り向く兄弟。






「危ないし、ここで待ってた方が・・・」



「ううん、大丈夫。エドと上行くよ」



「そうか、じゃあ行くぞ」



「はーい」











「き・・・君達はいったい何者なんだ?」





「錬金術師だ!!」





そしてエドは勢い良く窓から出る。






「うおおおお!!風圧!!風圧!!」



「かっこわるー」




風圧で飛ばされそうになってるエド。


乗客の皆さん、不安にならないでー。








「・・・っと、そんじゃ・・・いっちょ行ってみっか!」

















































ゴンゴン ゴン ゴン







「大丈夫か?




「うん、平気だよ。・・・・・・・・・まったく、エドの安眠を妨げるなんて、なんてアホな集団なんだろ・・・」




軽くエドに返事を返し、その後は聞こえないようにボソリと呟く。




列車ジャックの犯人は、東部過激派『青の団』。




たしか、親玉はバルドって名前だったな・・・・・・。







「あ、そういや随分前の方に来たけど、ここってどこら辺?」





「えーと・・・将軍が人質に取られてるっていう一等車辺りだろ」





「へー」





・・・・・・一等車?






「ん?どうした?」






急に立ち止まった私を、走ったまま振り返るエド。







「あーいやーそのー・・・・・・そこ危ないから・・・ね」






「へ?」





ドッ ガガガガガ




ガガガ ガン ガン ガン






「いってぇ!!」








ゴン







一等車からの銃撃の後、エドが車両と車両の間に落ちた。




・・・・・・普通、痛いだけじゃ済まないよね・・・。





私はゆっくりと、足音を立てないように一等車の上を通る。







「うわ、あぶねーあぶねー!!」







「だ、大丈夫?エド」






ひゃー左足じゃなかったらやられてたな」




「機械鎧で良かったね」





「ああ。きしょ――おぼえてろよ。・・・まずは機関室奪還!!」















































なんとか機関室へとたどり着いた。




するとエドは、先程左足に当たった鉛弾を機関室の中へと投げ入れる。





そして、いきなり入ってきた鉛弾に気を取られている機関室担当一人を、エドが後ろから蹴ってパイプにぶつける。






!!ヤロ・・・」






ゴパン  「うごっ!!?」







べこ どか べし


「このやろ」 「このやろ」

「ぎゃああぁああぁぁ」







エドに気付いて銃を構えようとしたおっさんを、機関室の作業員のじいさん&にいちゃんがスコップで叩きのめす。





最後に四人で「ぐ!!」っと親指を立てた。(何の意味が?)









「なんか手伝う事あるかー?」





「安全運転よろしく!」












それにしても、勇敢な作業員さん達だったなー。










「よっ・・・と」





機関室から出て上にのぼった視線の先には、銃を持った、頭に髪の毛が少し乗ってるだけのような髪形の太った男。




・・・・・・しかも風でなびいてるし。









「いたぜハツカネズミちゃん」







どんなナンパ言葉だよ!?(違)









ドン ドンドン




「うひゃ!!」 「わあっ!!」





いきなり銃を連射してきた。









「あっ・・・ぶねーなこの野郎!!」




「変な髪形しやがって――!!」






エドは両手を合わせ、炭から大砲を錬成して撃つ。



私は水を大量にぶっかけてみた。





「どわーっ!!・・・ぶっ」




どすんと音を立てて車両の中に落ちていった。







「こりゃあ!!汽車の命の炭水車になんて事を!!」





「わ!ごめん!」





エド、怒られちゃった・・・。







「ん?炭水車・・・?ふーん・・・」





エドは炭水車を拳でゴンゴンと軽く叩く。





「え?何、なんかやるの?」







「おう、お前も手伝え」





「うん!OKーv」














































『あ――あ――、犯行グループのみなさん。機関室および後部車両は我々が奪還いたしました。残るはこの車両のみとなっております。おとなしく人質を解放し、投降するならよし。さもなくば強制排除させていただきますが・・・』






「ふざけやがって・・・何者か知らんが、人質がいる限り我々の敗北は無い!!」






『あらら、反抗する気満々?残念交渉決裂』






さっき錬成したエドラッパの下に、水道管を錬成するエド。





『よーし、いいぞー』





『アイアイサー』(敬礼)





『人質のみなさんは物陰に伏せてくださいねー』






ぐりん キュッ





私は、“OPEN”と書かれた方向へ、水道管のストッパーをひねった。







 ドドドドドドド ザバ―――ッ






途端、流れ出る大量の水。




でも大丈夫だろうか、炭水車・・・・・・。








「ぬう!!まだだ!!まだ切り札の人質が・・・」




かろうじて車両の外に流されなかったバルドが、びしょ濡れのまま立ち上がろうとする。





その車両へエドが飛び込んだ。






「おっ、機械鎧仲間?」







着地と同時に、右腕を刃に変える。






「こっ・・・こんな小僧にィィィ!!!








ガキュ





バルドの機械鎧銃に刃を差込み、止める。






「なんだ、安物使ってんなぁ」




いつの間にか来たアルが、バルドの肩を掴む。






ドガン






そして、エドがバルドの機械鎧を斬り、アルはバルドを思いっきり殴った。
























































「や、鋼の」







エド、あからさまに嫌な顔。







爽やかな笑顔を振り出して現れたのは、黒髪で青い軍服を来た男。




その後ろには金髪の綺麗な女の人。








はっ・・・あれは・・・!








「あれ、大佐こんにちは」






「なんだねその嫌そうな顔は」






「くあ〜〜〜〜〜、大佐の管轄なら放っときゃよかった!!」






「・・・元はといえば、それをぶち壊したのはエドだよね」








ぼそっと言うと、大佐が私に気付いた。







「む、鋼の。このお嬢さんは?」





「ああ、今一緒に旅してんだ」





「そうかそうか、やあかわいいお嬢さん。私はロイ・マスタング。今度お茶でもいかがかな?」





とても爽やかな笑顔で詰め寄ってくる。




「・・・あなたが彼の有名な無能女たらしのロイ・マスタング大佐ですね」




にっこりvと営業スマイル(0円)で言う。





「・・・は、ははは、おや、どこかで噂が間違ったのかな?私は別にそんな者では・・・・・・」






「寄るな不能」





「・・・ふっ・・・・・・」







ガガーン







「あ、初めまして。私、です。よろしくお願いしますv」






「私はリザ・ホークアイ、中尉よ。リザでいいわ」







隅で落ち込んでる人は無視して、リザさんに自己紹介。










「・・・・・・か、素晴らしい名前じゃないか!是非、私の事も「ロイさん」と、いや寧ろ「ロイv(←!?)」と呼んで・・・」






「え?無能大佐で十分なんじゃないんですか?」






間髪入れず。






ガガガーン



















「うわぁ!!」 「貴様・・・ぐあっ!!」







声のした方を向くと、バルドが機械鎧から出したナイフで縄を切って立っている。






「うわ、仕込みナイフ」





「大佐、お下がりくだ・・・」





銃を素早く構えたリザさんを、手で軽く制する。




「これでいい」






・・・・・・あれ!?あんたいつの間に立ち直ったの!?









「おおおおおおお!!!」







ぐっ



大佐は錬成陣の描かれた手袋をはめた右手を高く上げ、指と指を擦り付けた。(これを俗に指パッチンと呼ぶ)





パキン ヂッ




ボッ 「!!」





ゴオッ






「ごぉあっ!?がああああああああああ





小規模な爆発が起き、バルドが倒れこむ。





そして構えていた衛兵に取り押さえられた。








「手加減しておいた。まだ逆らうというなら、次はケシ炭にするが?」






「ど畜生め・・・てめえ何者だ!!」





「ロイ・マスタング、地位は大佐だ。そしてもうひとつ、『焔の錬金術師』だ。覚えておきたまえ」

























-----あとがき-----

管理人 「やっと出てきたよー無能大佐!!」
大佐 「・・・・・・ひどいんじゃないのかね」
管理人 「どうわっ!?なんであんたがいんの!?豆は!?」
大佐 「コミックス1巻で言ったように、2巻からは鋼のと主役交替だと・・・」
管理人 「そんなの知らないね。ここの主役はさんですー。つまり交替する必要無し。あんたはいらん」
大佐 「・・・・・・!?」
「はん、そういう事だ大佐。早く消えろ」
大佐 「ん?なんだ豆か」
「オレは豆じゃ・・・って、なんでオレの名前んトコ豆なんだよ!!
管理人 「え?豆じゃなかったっけ?」(真顔)
「んなわけあるか!!」
無能 「ふ・・・いい加減認めたらどうだね鋼の・・・って私の名前が無能に!?
管理人「あれ?違かったっけ?」(真顔)
無能「・・・・・・・・・・・・!?」
管理人「というワケで、次回から舞台はイーストシティに!エドは犬に潰される運命なのか!?」
「なんだそりゃ!?つーか名前どーにかしろ―――!!

                    強制終了





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2005.10.30.Sun